逃 亡 者original

逃げるキンブル

リチャード・キンブル 職業-医師 目的地-州刑務所の死刑執行室
リチャード・キンブルは、その妻を殺害した罪に問われ死刑の宣告を受けた。
しかし、法律は神ならぬ人間の手によって作られ、人間が執行するものである。
恐るべき誤審はここに生じる。
リチャード・キンブルは、無実である。
だが、彼は自分の容疑を晴らすに足る事実を実証できなかった。
彼は、妻の死体を発見する直前、片腕の男が家から走り去るのを見た。
しかし、その男はついに発見されなかった。
彼は、この夜の名残に外を見つめながら、自分の運命をじっと考えてみる。
窓の外も自らの将来も暗黒だった。
しかし、その暗黒の中に運命の計り知れぬ力が潜んでいた。

                            −初期ナレーション−

     追うジェラード

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第1話 愛と憎しみの果て


町から町へ彼は動きつづける。早すぎても遅すぎてもいけない。
落ち着いて歩く。どこか怪しい者はいないか。止ってはいけない。

何気ない様子で、目立たないように歩く。
これでいいだろうか。手配が廻ってはいないだろうか。
ここがあるいは旅の終わりになるのではないだろうか。

ともかく、無事にすんだ。
外の様子は変わっていないか。人目についてはいけない。

さあ、仕度だ。気をつけるのだ。
警察は絶対に追及を緩めないだろう。殊に、あの男、ジェラード警部はそうだ。
「法の命ずるままに動くだけです。法廷が有罪と決め死刑を執行しようとした。
私は、それに従う機械です。感情には、絶対左右されません。」

これでよし。今度は、仕事だ。どんな仕事があるか。
慎重に選ぶことだ。返事に詰まらぬように。
雇主が、うるさく聞かなければいいが...





キンブルがバーテンとして働く店でピアノを弾いているモニカは
嫉妬深い夫、エドから逃げるために息子と二人で暮らしていた。
キンブルはモニカの力になろうとするが、
州の有力者でもあるエドは金の力で刑事を差し向けてキンブルに街を出るよう脅しをかけた。

モニカに好意を寄せられたキンブルは、逃亡中の殺人犯だと打ち明ける。

あの晩、子供を養子に迎えることで押し問答のうえ車で川岸に行った。
少年がひとりボートを漕いでいた。家に戻ったら車の前を片腕の男が走り去ったのだった。

キンブルの身の上を知ったモニカは、夫の束縛から逃れるために息子を連れて一緒に逃げようと決心し、夜のバスターミナルへ向かった。
「行先はどこでもいい。次のバスでいいんだ。」

そこにエドが追って来た。
「貴様のせいだ。」とピストルをキンブルに向けるや、とっさに飛びつき弾はそれた。
再びピストルを突きつけられたとき、近くの警察が来、夫が先に発砲したため射殺された。

「これで済んだ。なにもかも。」
「君のことは忘れない。今の僕にもてるのは想い出だけだ。いつか...さよなら。」
少年に、「さよなら」

また 見知らぬ町へ入る。
さみしい想い出だけを胸に、リチャード・キンブルの果てしない旅がつづく。


主演-デビッド・ジャンセン睦五郎) 共演-バリー・モース(加藤精三



1963〜67年放送

逃亡者   第2話
      <詳細キンフ゛ル事件

逃亡者   第3話 
逃亡者   第4話 
逃亡者   最終回
      <詳細[前篇] [後篇]>   
          


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