逃亡者


リチャード・キンブル  職業医師
正しかるべき正義も  時として盲ることがある
彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され
護送の途中 列車事故にあって からくも脱走した
孤独と絶望の逃亡生活が始まる
髪の色を変え 重労働に耐えながら
犯行現場から走り去った片腕の男を捜し求める
彼は逃げる
執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら
現在を 今夜を そして明日を生きるために


                       −ナレーション−


最終回 裁きの日

片腕の男がロサンゼルスのバーで傷害事件を起こして逮捕された。
ジェラードは片腕の男を取り調べたがヘレンを殺したという証言は得られなかった。
ジェラード警部はこの片腕の男をオトリにすれば、必ずキンブルが現れると考え、この事件を大々的に新聞に流した。
予想通りキンブルは現れたが、彼を待っていたのはキンブルと同郷の女性ジーン・カーライル。
ジェラードの罠をキンブルに知らせるために、彼女はキンブルの妻の妹ドナと連絡をとっていたのだ。

しかし、キンブルは自首を決意する。片腕の男と対決することに希望を持ったからだ。
だが、自首寸前に片腕の男を保釈した者があった。ドナの夫レンだった。キンブルはすべてが分らなくなる。
そんなキンブルの背に、ジェラードの声がかかった。「キンブル動くな!」

キンブルは、自分の逮捕を公表しないよう申し入れた。
「故郷のスタフォードに必ず真相が隠されている。片腕の男はきっといる。」という確信をくずさなかったから。
そして更に必死に頼み込んでキンブルはシ゛ェラート゛に二十四時間の猶予をもらった。
キンブルはジェラードに護送され、夜行列車でスタッフォードへ向かった。
行先は、片腕の男を保釈したドナの夫レンのところだ。
ドナの家に何通かの嫌がらせの電話があった。その中にあの晩にレンを見た者で、今晩7時半に会いたいというのがあった。
それをドナから聞いたレンの友人ロイドは、指定された馬小屋の前で片腕の男に五万ドルを脅迫された。

キンブルとシ゛ェラート゛が遅れてその場所に着いたとき、弾を発見した。
ジーンがキンブルを思って、ロサンゼルスから到着。

ロイドは迷った。ついに彼の妻に真相を明かした。
彼は、戦時中、勇気ある者として勲章を受けたし、村の者達にも尊敬された。

彼は、事件当夜キンブルの妻ヘレンに呼ばれ、キンブルのことで相談を受けていた。
その時、物音がした。片腕の男だった。
ヘレンは男に飛びつき、ロイドに助けを求めた。が、彼は怖くなり身竦めていた。
男は側にあった電気スタンドでヘレンの頭を殴りつけた。

彼が恐怖からわれに帰ったとき男はいなく、彼は裏口から飛び出した。
ロイドはそんな自分を皆に知られたくなかった。また、片腕の男が捕まると思っていた。
しかし、逮捕されたのはヘレンの夫キンブルだった。
男は架空の存在となり、今更出頭すれば自分に嫌疑がかけられると凍りついた。

ロイドに妻は、警察に行って真相を明かすようすすめる。「男なんでしょう...」


警部は約束の正午が近づいていることを告げる。
今、署へ連れて行かれれば、キンブルは新聞に載る。そうなれば総てが終わりだ...
「いままで待ったんでしょう。後、一日や二日位待てるでしょう...」
「約束の時間を待つのは辛い。しかし、あてもないのに待つのはもっと辛い。」
「人間ひとりの命がかかっているのですよ。」
「残念ですが...」

妹ドナは、ジーンが泊まれる用意をするため二階へ上がる。
ドナは子供部屋から弾を持って降りてきた。それは、馬小屋で見つけた弾と一致した。
キンブルとジェラードは、ロイドの家に向かった。
しかし、彼はもうヘレンを殺した男を殺しに行くと云って出かけたという。

遊園地で、片腕の男とロイドが撃合う。そこをふたりが捜し当てる。
ジェラードが流れ弾で足を負傷。キンブルが男の背後からピストルを向ける。男は構わず逃げる。
男は塔に登った。塔の作業場で抵抗する男の足を捕らえるが
「俺を撃てば総てが終わりだ」
と飛びかかる。
やっとのことで押さえ込み妻殺しを白状させる。その隙をついた男はピストルを握り
「あのときは、お前の妻を殺したが、今度はお前を殺してやる。」
と、引き金に力が入る。
ジェラードが下から男を射殺。キンブルは、重要参考人を失い落胆して降りてくる。

シ゛ェラート゛がロイドに
「私達は、この四年間楽しんで来た。しかし、私達はあの男に地獄のどん底を歩かせた。しかし、それももう終わった。」

ロイドは、法廷で真相を語った。
ここに キンブルの逃亡の旅は終わった。
                          /完
   詳細篇[前篇]
      [後篇]

逃亡者 第4話 

逃亡者 第3話

逃亡者 第2話
<詳細篇キンフ゛ル事件>

逃亡者 第1話
1963〜67年放送


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